人生相談(諦観と諦め)

プライバシーに配慮して、実際にあった相談をもとに創作したものを掲載しています。 (相談) 20代男性との面談(個人セッション)です。 相談者自身に関することを一通り説明した後で出た相談を取り上げます。 高校の教員免許をもっておられ、公務員か教員への転職を希望されています。 [回答] 諦めてリラックスすることで物事が動き始める場合があるということです、と話しましたが諦観(ていかん)するということですか?という質問が出ました。 「諦観はもともと仏教用語で、本質を見きわめることを意味します。出来事に対して諦めることで執着や思い込みが減り、本質が見えてきます。それが変遷して現在の意味である、思いを断ち切る意味に用いられるようになっています。」 当然、諦めてばかりでは物事に取り組まないため何も進みませんね、と話されました。 「そうです。仕事などでは諦めずに取り組み続けることが必要ですが、その一方で諦めの境地というのも体得すべきことと思います。諦めずに物事に取り組み続けながら、その一方では執着や思い込みを手放した境地にある、これが人生を極める生き方と思います。」 「諦観という言葉は過去に調べたことがありますが、『諦める』以外に『明らめる』の表記があります。しかし断念することで、執着や思い込みを手放すことができますので、用いる意味が変わってきても、あたらずといえども遠からずの関係だと私は思っています。」 □メインサイト(木村宏一の人生相談) https://www.kimura-kouichi.jp/