人生相談(不安神経症に悩まされている)
プライバシーに配慮して、実際にあった相談をもとに創作したものを掲載しています。
(相談)
中高年男性との面談です。メインの相談内容の後に出た相談を取り上げます。
2年前から不安神経症が強くなり、日々の生活に影響が出ているそうです。
例えば家を出るときに、ガスコンロの火が消えているか、水が出しっぱなしになっていないか、ドアを施錠しているか、指で指して確認したことを記憶するようにしているそうです。
しかし、家を出てから駅に向かうまでの不安感が強くて、家に戻ってもう一度確認しようかという衝動に襲われるそうで、耐えきれない場合は家に戻るそうです。そして同じ確認をして、徒労に終わりながらも不安が低減したので再度家を出るそうです。
仕事でも、作成した文書の不備が気になったり、自分が言ったことの不備が気になって、不安に襲われることがあるそうです。
ただ不安はいつまでも続かず、家を出る場合でも、電車に乗ってしばらくすると不安がピークを過ぎて減っていくそうです。仕事でも、不備が気になる状態はいつまでも続かず、次第に不安は低くなるそうです。
心療内科に通ったこともあり、薬を処方されたこともありますが、ほかに何か方法はないだろうかという内容です。
[回答]
内観と同じように、相談者の意識とつながりました。
失敗を恐れる気持ちがもともと強かったこと、そのため完璧を期す気持ちも強いことを感じました。
また難しい表現になりますが、年を取って感情で柔軟性が減ってきた感触がありました。
それらを説明し、回答しました。回答の一部を掲載します。
「これは二段階の対処になります。一段階目は、できるだけ行動や言動を記録して、見返せるようにすることです。例えば家を出るときは、コンロやドアノブを指差して確認するよりも、スマートフォンでそれらを撮影しましょう。仕事では、会社の行動規範に沿う範囲内で、記録を残すようにしましょう。」
「もしドアを記録した写真を見ても不安が消えない場合、その不安を受け入れてください。受け入れる方法ですが、泥棒が入ったことをイメージして、あとは泥棒が入った場合の対処を考えることです。リスク発生への不安を諦めて受け入れ、リスク発生後の対処を考えることです。」
「ドアの施錠などを忘れるといけないので、万全を期すためにも確認は続けるべきです。しかし記録を見ても不安が消えない場合、その不安を受け入れることで、ゼロにはならないものの不安が半減するでしょう。」
□メインサイト(木村宏一の人生相談)
https://www.kimura-kouichi.jp/